今を共に知り、
共に築く

安井ゆかり(石川県・金沢市在住)

プロコース1期

直感からのスタート

もともと言語化することが苦手で、グラフィックファシリテーションの講座を見つけた時に「これだ!」と直感で申し込んだのがはじまりです。当時は、すべて対面開催の講座だったので、金沢から通っていました。楽しくて、面白くて、毎回、夢中でしたね。

自分の伝えたいことを絵にできたらいいなと思って始めて、ファシリテーションを学ぶつもりや感覚は、当初なかったんです。でも学んでいくうちに、相手の話を聴く、相手が何を感じているかに耳を傾けること自体がファシリテーションなんだと気がついて…。
自分の想いと、相手の言わんとする想いの両方を絵にすることができたら、コミュニケーションがより豊かに取れるようになるなと思っていたので、これは自分のやりたかったことだなと思い至り、いつの間にかプロコースまで歩みを進めていました。

「わからないまま進める」違和感

私自身はショップデザイン会社の経営と、実際にお店のデザインを進めていく現場を担っているのですが、とてもハードワークなので、人がなかなか定着せずに辞めていってしまう状況が何十年も続いていました。プロコースを経て思うのは、私なりに、若い社員とのコミュニケーションや社内の人間関係の部分を、なんとかしたかったのだと思います。

卒なく、スピード重視で仕事をしようと思ったら、相手の「考え」や、なぜそう言うのか「背景」がわからなくても前に進めることはできるけど、私は「わからないまま進める」「わかったフリをして、やり続ける」のには違和感があって。そのモヤモヤを見ないふりをして進め続けるのは、自分が願っているコミュニケーションの姿とは違うなと気づきました。

共に願いを伝え合って築く信頼関係へ

「自分とは違う考えだ」「反対だな」でも良いので、「今の状態がわかる」ことが大事。お互いに「今」の状態に気づいた上で、これからを一緒に考える。どうありたいか、どうしていくのがいいか、共に願いを伝え合って信頼関係を築きたかったんです。グラフィックファシリテーションを使いながら相手の話を描き出しながら丁寧に聴いていると、相手の言わんとすることや想いがわかってくるし、相手も描かれてものを見ながら話すことで気づくことができる。

私自身は、街の文化をつくっていると思ってお店づくりをしているけれど、社員一人ひとりはどんな想いで仕事に臨んでいるのか。経営側の想いの押し付けでなく、お互いのモチベーションややりがい、誇りに耳を傾けあい、「なぜ私たちはこの仕事をしているのか」を改めて認識し合うような場をつくるようになりました。亀の歩みのようなゆっくりとした変化なのですが、根気よく丁寧に続けていくことで、今では若者が辞めずに、じっくりと仕事に臨んでくれる状態を保てています。

人と人との関係性の中には何があるか。グラフィックファシリテーションは、そこに興味がある人や、なぜうまくいかないのか悩んでいる人にオススメしたい、学びと実践の旅です。

【安井ゆかり(通称:コノン)プロフィール】

一般社団法人グラフィックファシリテーション協会認定プロフェッショナル

グラフィックファシリテーションプロコース1期修了(2019年)
北陸金沢にて30年間インテリアデザイナーとして10,000件の多業種の店舗開業に携わる。
グラフィックファシリテーションを行う場は、店舗設計に入る前に、企業のプロジェクトチームやオーナーとスタッフ間などで開業やリノベーションの目的や意義を話す対話の場など。

(2024年7月インタビュー)

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講座情報

グラフィックファシリテーション協会では、認定講座を通じて、グラフィックファシリテーションのプロフェッショナルを育成しています。基礎から段階を経て、身につけることができるので、ご興味をお持ちの方は、ぜひ開催日程等をご確認ください。

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